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再処理プロセス・化学ハンドブック検討委員会
JAEA-Review 2015-002, 726 Pages, 2015/03
「再処理プロセス・化学ハンドブック」を新たに改訂し、第3版としてまとめた。作業にあたって国内の大学や企業の有識者からなる再処理プロセス・化学ハンドブック検討委員会を組織し、意見交換を行いながら文献の調査と執筆を進めた。本ハンドブックの目的は従来から変わることはなく、ウラン燃料、MOX燃料の利用とそのリサイクルのため、今後の湿式再処理分野の課題に向けた取り組みの一つとして、プロセスと関連する化学の基礎情報をまとめたデータベースを整備したものである。
峯尾 英章; 飯塚 勝*; 藤崎 進; 宝徳 忍; 朝倉 俊英; 内山 軍蔵
Proceeding of International Waste Management Symposium 2002 (WM '02) (CD-ROM), 9 Pages, 2002/00
29及び44GWdtの使用済燃料の溶解をベンチスケール試験装置において行い、放出される放射性ヨウ素及び炭素14の挙動を調べた。銀シリカゲル吸着剤による溶解オフガス中ヨウ素129の除染係数は36,000以上と測定され、吸着剤が有効に働くことを確認した。ヨウ素129の移行率を測定したところ、溶解液へ0.57%,ヨウ化物として残渣に2.72%,残りがオフガスへ移行することがわかり、ヨウ素131トレーサを用いた既往の試験結果にほぼ一致した。KIOによるヨウ素追い出し法が通常のNOによる追い出し法より効果的であることを示した。また、キュリウム244等の自発核分裂によるヨウ素131生成量は燃焼度に依存した。溶解時に二酸化炭素となった炭素14は溶解中にKr-85などの希ガス放出とほぼ同時にオフガス中へ放出され、その挙動は酸濃度に依存する可能性が示唆された。炭素14放出量から生成源の窒素14の新燃料中濃度は数ppmと推定され、既往の報告の範囲内であった。
燃料サイクル安全工学部
JAERI-Review 2001-038, 600 Pages, 2001/12
ピュレックス法に基づく湿式再処理技術は、応用性の広い第一世代の中核的再処理技術であり、廃棄物管理技術などの周辺技術の完成度も高い。湿式再処理技術に関するプロセス及び化学の基礎情報をまとめたデータベースの整備は、UO燃料の高燃焼度化やMOX燃料の利用など、燃料の高度化に対応する再処理プロセス及び核燃料サイクルを開発・評価して、湿式再処理技術の利用を拡大していくために重要である。この再処理プロセス・化学ハンドブックは、専門家で構成される編集委員会により、平成5年度より平成12年度にわたって収集,検討されたプロセス及び基礎化学データをまとめたものである。
小河 浩晃; 木内 清; 佐分利 禎; 深谷 清
JAERI-Research 2001-023, 21 Pages, 2001/03
発電炉の酸化物燃料では、燃焼度とともに放射性元素のXeやKr等の希ガスが多量に生成し、燃料と被覆管のギャップ内に放出して、伝熱阻害を促進し、被覆管の健全性を低下させることが重要な課題となっている。また、それらのオフガス中の回収技術の開発も急務となっている。本研究では、重元素の放射性希ガスであるXeやKr等の燃料中の振る舞いや、廃棄物としての回収・固定化のための新技術の基礎検討として、これらのガスの重照射場における化学的反応性を量子線による励起効果の新しい観点から基礎検討した。重照射場において当該ガスが低温プラズマ化して化学反応性が活性化することを想定して、これまでに未解明で、実用的にも重要な希ガス-酸素系の反応性を解析した。試験装置として、RF励起型の低温プラズマ反応試験装置を整備して、重元素希ガス自身及び実用環境で想定される酸素との混合ガス系について、プラズマ励起反応の起こりやすさを評価して、重照射場における当該ガスの存在状態や反応性を検討した。
藤井 俊行*; 山名 元*
JNC TJ9400 2000-003, 36 Pages, 2000/02
低除染でのリサイクルシステムにおいて設計上不可欠の情報である放射性核種の移行率に関する研究の一環として、放射能は低いがリサイクル燃料の性能への影響が多い元素であるモリブデンとパラジウムの、PUREX、TRUEX抽出条件下での分配特性を実験的に調べ、その化学的なメカニズムの同定を行った。吸光分光分析を抽出実験と並行することにより、抽出錯体種の同定および抽出メカニズムを検討した。この結果により、モリブデンとパラジウムのPUREX、TRUEX工程内での抽出移行および分配特性に関する知見を得た。
峯尾 英章; 木原 武弘; 中野 雄次*; 木村 茂; 高橋 昭*; 八木 知則; 内山 軍蔵; 宝徳 忍; 渡辺 眞樹男; 亀井 一成; et al.
JAERI-Conf 99-004, p.498 - 507, 1999/03
燃焼度8000MWd/tの使用済燃料約1.5kgをNUCEF セルで溶解した。本試験では溶解の他、銀シリカゲル(AgS)吸着剤によるヨウ素処理、清澄、抽出試験への給液調整と発生するC-14捕集を行った。Uは開始後100分程度で溶解がほぼ終了し、ほかの接種もUとほぼ同様な溶解挙動を示した。二段階操作で追い出された溶解液中ヨウ素のAgS吸着材での捕集量は約210kBqで、ORIGEN計算によるI-129推定量の約63%に相当した。C-14捕集量は約2MBqで、燃料にN-14が少なくとも数ppm含まれていたことが示唆された。不溶性残渣分析では、Ru,Mo,Pd及びZrが主成分で、特にMoとZrのモル比とX線回折結果から溶解中でのモリブデン酸ジルコニウムの沈殿が示唆された。使用済燃料中Uの約94%が溶解工程において回収された。
峯尾 英章; 木原 武弘; 高橋 昭*; 八木 知則; 中野 雄次*; 木村 茂; 内山 軍蔵; 宝徳 忍; 渡辺 眞樹男; 亀井 一成; et al.
Proceedings of International Waste Management Symposium '99 (Waste Manegement '99) (CD-ROM), 6 Pages, 1999/03
銀シリカゲル(AgS)吸着材によるヨウ素129の吸着容量を燃焼度8000MWd/tの使用済燃料1.5kgの溶解試験において測定した。また炭素-14のKOH水溶液による除去を同じ試験において行った。この試験は、燃焼度45,000MWd/tまでの使用済燃料を用いる一連の試験の第一段階である。ヨウ素-129は溶解時及び2段階からなるヨウ素追い出し操作時に発生した。AgSカラムで捕集されたヨウ素-129は約210kBqで、ORIGEN計算により推定される本使用済燃料1.5kgからのヨウ素-129発生量の約62%に相当した。これまでの試験結果から、ヨウ素-129は、溶解槽とAgSカラムとの間の配管表面に付着したと示唆された。一方、炭素-14の溶解時における全捕集量は約2MBqで、数ppmの窒素-14が新燃料に含まれていたことが示唆された。
湯本 鐐三*; 横内 洋二*; 小泉 益通*; 関 貞雄*
PNC TJ9409 96-002, 93 Pages, 1996/03
照射済MOX燃料の乾式分離、抽出に関する技術の開発状況を調査し、大洗工学センターで実施する場合の試験内容、試験装置、試験装置を設置するセルの構造及びセルの設置場所等について検討した。試験の目的はプロセスの成立性をはじめコールド試験では得られないFPやTRUの挙動を把握すること及びオフガス性状の挙動を確認することである。試験内容の検討にあたり、取扱う試料としてはもんじゅ燃料の燃焼度9万4千MWd/ton、550日冷却1バッチ、最大重量100gを想定した。試験は燃料ピンの切断、粉末化等の前処理を除く(1)酸化物燃料還元工程(2)電解精製工程(3)陰極回収物処理工程(4)TRU抽出工程の4工程をホット試験の重要課題として取り上げ、試験工程の概要、試験フロー図及び試験における課題等を明らかにした。試験装置としては、各工程毎の試験装置の概略仕様、構造等の検討を行い、その概要を示すとともに、処理後の生成物評価に必要な分析装置についてもその概要を検討した。また、使用された塩化物からTRU及び一部のFPは抽出回収され、電解精製工程等にリサイクルされる。残留FPを含む塩廃棄物はゼオライトに吸蔵し固化安定化された後、容器に封入して保管する。これらの試験を行うセルについては、既設FMF試験セル、AGFコンクリートセルの改造及びFMF地下2階倉庫、FMF増設第2補機室におけるセルを新設する場合のケースについて検討した。その結果、設置スペース、装置設置を含むセルの改造及び新設の工事の難易度、メンテナンスの方法、オフガス対応を含む換気(Ar雰囲気)設備及び試験装置の配置計画などからFMF増設第2補機室に新規に鉄セルを配置して試験を行うことが、工事上の安全確保も容易であり、放射性廃棄物の発生も少なく、最も安全に、また他の試験作業への影響を与えることなく、かつ効率的に試験操作を行うことが可能であることを明らかにした。
捧 賢一; 二村 浩尓; 大内 仁
PNC TN8100 94-003, 337 Pages, 1994/02
動燃事業団と独KfKとの間に結ばれている高レベル廃棄物管理における協定の一環として、ガラス固化技術を中心とする廃棄物管理に関する会議が1993年12月7日から9日までの3日間、東海事業所において開催された。本資料は、第12回PNC/KfK高レベル廃棄物管理会議報告書(1/2)-会議PNC PN8100 94-002の別冊資料集として、発表に用いたOHP資料をとりまとめたものである。
財津 知久*; 吉岡 正弘; 五十嵐 寛; 河村 和広; 捧 賢一; 二村 浩尓; 大内 仁
PNC TN8100 94-002, 104 Pages, 1994/02
動燃事業団と独KfKとの間に結ばれている高レベル廃棄物管理における協定の一環として、ガラス固化技術を中心とする廃棄物管理に関する会議が1993年12月7日から9日までの3日間、東海事業所において開催された。KfK側からはドイツにおける廃棄物管理状況、WAK廃液ガラス固化プラントの設計、ガラス溶融炉(K-6'、ESM運転における白金族元素挙動、ガラス溶融炉からオフガスへの元素移行、プロセス運転の制御システム、ガラスレベル検出方法、ガラス固化体品質保証について紹介があった。PNCからはTVFコールド試運転、白金族元素の挙動、熱流動解析、品質保証、新技術の概要等を紹介した。討論における双方の関心は、主にガラス溶融炉運転における白金族元素の挙動および品質保証であった。特にKfK側はTVFの施設および試運転結果に高い関心を示した。また会議の中でKfK一行はTVF施設を見学した。会議では発表に用いたOHP資料および最近の報告書および論文等を交換した。とくにKfKからはK-6'メルタの19901993年の試験結果をまとめた400頁余りの報告書が提供された。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(1), p.86 - 87, 1994/01
被引用回数:9 パーセンタイル:75.49(Nuclear Science & Technology)再処理プロセスで銀添着シリカゲル(AgSまたはAC6120)は無機及び有機ヨウ素の秀れた吸着材として知られている。この吸着材は、さらに、二酸化窒素による有機ヨウ素の分解に、触媒的に作用することがわかった。このため、AgSを充填したカラムにヨウ化メチルと二酸化窒素を含む模擬オフガスを供給すると、AgS中の銀がヨウ素と反応した後もヨウ化メチルの分解が続き、ヨウ素が析出する。ガスクロマトグラフなどでAgSの吸着量を測定する場合、吸着容量を過大評価するおそれがあるので注意が必要である。
坪谷 隆夫; 高橋 武士; 吉岡 正弘; 五十嵐 寛; 菖蒲 康夫
PNC TN8100 91-030, 278 Pages, 1991/04
本資料集は、第10回PNC/KfK高レベル廃棄物管理会議(1990年11月18日22日、動燃事業団の東海事業所および東京にて開催)において、双方から発表されたOHP資料をとりまとめたものである。KfK側の発表内容は、KfK-INEでの高レベル廃棄物に関する技関開発の概要、K-6'メルタの運転結果、オフガス処理設備の特性、メルタ内のシミュレーション結果、耐火物および電極材料と溶融ガラスの反応に関するものである。PNC側の発表内容は、ガラス固化技術開発の現状、モックアップ3号のメルタの運転経験および白金族元素の抜き出し性評価、Ru、Cs、Srおよび粉塵のオフガスへの移行評価ならびに準揮発性元素の模擬廃液仮焼時の揮発率評価、メルタ内のシミュレーション技術開発、新電極材料および新耐火物材料の開発に関するものである。
坪谷 隆夫; 高橋 武士; 吉岡 正弘; 五十嵐 寛; 菖蒲 康夫
PNC TN8100 91-029, 82 Pages, 1991/04
第10回PNC/KfK高レベル廃棄物管理会議(1990年11月18日22日、動燃事業団の東海事業所および東京にて開催)の概要を報告する。この会議は、昭和55年に動燃事業団とドイツKfK(Kernforschungszentrum Karlsruhe Gmbh)間で締結された協力協定に基づいて実施されるものであり、今回で10周年を迎えた。この会議では、両国における原子力情勢がお互いに紹介された。また、廃棄物の管理状況が紹介され、特に高レベル廃棄物のガラス固化技術を中心として情報交換が行われた。さらにガラス固化技術に関しては、ガラス溶融技術、オフガス処理技術、ガラス物性および品質管理技術について詳細な討論が行われた。本報告書は、これらの発表・討論の内容を要約したものである。
化学部溶解試験グループ
JAERI-M 91-010, 187 Pages, 1991/02
高燃焼度燃料の溶解に関する定量的データを取得するため、化学部では科学技術庁からの委託を受け「高燃焼度燃料再処理試験研究」としてPWR軽水炉燃料の硝酸による溶解試験を昭和59年度から実施してきた。本試験研究ではこれまで、集合体平均燃焼度8,400~36,100MWd/tの使用済燃料について溶解試験を行い、不溶性残渣、燃料被覆管、オフガス及び溶解液について、組成分析、放射性核種の分布測定を行って再処理施設の溶解及び清澄工程に関連した基礎データを取得した。
松岡 伸吾*; 桜井 勉
日本原子力学会誌, 28(8), p.701 - 709, 1986/00
被引用回数:1 パーセンタイル:20.71(Nuclear Science & Technology)揮発性放射性核種の放出低減化のため、再処理工程で発生するH,C,Kr,I及びエーロゾルの除去、固定及び処分法が各国で研究または実用化されている。これら処理処分の意義を定量的に考察し、次いで研究開発の現状と実工場で用いられているプロセスについて解説した。
松岡 伸吾*; 桜井 勉; 夏目 晴夫
UTNL-R-0190, p.8 - 16, 1986/00
再処理プラントのオフガスクリーニングシステムを調査し、技術的問題点等を検討した。その中で「より合理的」と考えられるシステムを議論し、改良案として一つのオフガスクリーニングシステムを提案した。系内でのヨウ素の分散を防ぐこと、及びできるだけ常温・常圧操作に近づける工夫がなされているのが特徴である。
桜井 勉; 夏目 晴夫*
UTNL-R-0174, p.55 - 62, 1985/00
59年度の東大(工)との協力研究「ゼオライトによるDOG中のヨウ素除去の研究」の一環として「揮発性核分裂生成物処理処分システム勉強会」を9回にわたって実施し、国の内外の再処理プロセスについて研究した。このたび、それら成果を東大が報告書としてまとめることになり執筆分担を依頼されたので、全10章の中の「9章銀ゼオライトを主体としたヨウ素除去プロセス」と「10章結」を執筆した。
桜井 勉; 古牧 睦英; 高橋 昭; 出雲 三四六
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(11), p.877 - 879, 1984/00
被引用回数:3 パーセンタイル:59.52(Nuclear Science & Technology)再処理溶解工程オフガス中には1~10ppmの有機ヨウ素(主成分はヨウ化メチル、CHI)が含まれていると言われているが、それがゼオライト(ヨウ素除去用の吸着材)中でどのような挙動を示すか不明であった。著書らはCHIとNOの混合ガスをゼオライト13X、銀展着ゼオライト(AgX)等に吸着させ、脱着ガスを分析した結果、CHIはゼオライト上でNOと反応しヨウ素(I)、硝酸メチル(CHNO)、及び一酸化窒素(NO)を生成することを見出した。同様な結果をヨウ化エチル(CHI)についても得ることができた。したがって、NOx共存下では有機ヨウ素もI同様にゼオライトで除去することが可能である。
桜井 勉; 古牧 睦英; 高橋 昭; 出雲 三四六
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(12), p.1046 - 1047, 1983/00
被引用回数:5 パーセンタイル:68.01(Nuclear Science & Technology)銀を含まないゼオライトによる再処理オフガス中のヨウ素除去プロセス開発の一環として、ゼオライト13Xに対するヨウ化メチル(有機ヨウ素と主成分)の吸着挙動を調べた。単体ヨウ素(I)と同じく、ヨウ化メチルもNO共存下で効率よく吸着する。注目すべき現象として、吸着したヨウ化メチルがNOと反応し、Iを生成することを確認した。有機ヨウ素も銀を含まないゼオライトで除去可能との見通しを得た。
吉田 浩; 沼田 和義; 松田 祐二; 大内 操; 成瀬 雄二
JAERI-M 8543, 35 Pages, 1979/11
本研究は、再処理工場オフガスを対象としたクリプトン放出低減化プラントのKr-Xe分離工程に熱拡散法を適用する場合の可能性を検討することを目的として実施したものである。実験装置としてはガラス製の加熱管式熱拡散塔(有効長さ1m、冷壁内径32mm、熱管外径21mm)を使用し、種々の操作条件(温度、圧力、ガス組成、リザーバー容種)における分離特性(分離係数、回収率、平衡達成時間など)を調べた。この結果、回分操作による熱拡散塔の特性は安定しており、最適操作圧力が広い温度範囲において400Torr前後となることから、本法が放射性ガスの漏洩に対して安全性の高いことが確められた。なお、実験結果に基づいて、処理量1500ton-U/yrの再処理工場オフガスを対象とするKr-Xe分離プラントの規模を推定したところ、熱拡散塔の本数および電力はそれぞれ約600本、900Kw程度と見積られた。